非農業部門雇用者数(米国)Total Nonfarm Payrolls 2017年6月

労働市場は底堅く拡大するも、賃金の伸びはいまいち

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2017年6月の非農業部門雇用者数は前月比で22.2万人と、予想の17.9万人を大きく上回った。失業率低下の目安である15万人は12ヵ月平均で上回っており、労働市場の底堅さを再確認する内容となった。

ただ、他の労働指標からは、未だ改善の余地が残されていることがわかる。

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2017年6月の平均賃金は前年比で2.5%の上昇で、年初の2.9%からやや鈍化している。

過去、米国は景気がピークを迎える際には、賃金は3%後半から4%程の伸びを見せていたが、現在の伸びは2%台に留まっている。

このことが市場が利上げに対して不透明感を強める理由となっている。

前回賃金が4%を向けて上昇を開始したのは2004年、前々回は1996年だが、これらはどちらもFRBが利上げを開始したタイミング。

同時に米国景気は拡大し、ドル高が進んだ時期でもある。順調にいけば、これから賃金が上向いてくると考えられるが、一向に上向かない場合に備えて、利上げも順調にいかないというシナリオも想定しておく必要があろう。